地球丸フォトエッセイ

「地球はとっても丸い」プロジェクトのメンバーがお届けする、世界各地からのフォトエッセイです。
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第9回 bánh xèo・バインセオ −ベトナム−
連載『旅する胃袋』
文・写真:長晃枝(日本・東京)
bánh xèo・バインセオ −ベトナム−
 アジア圏の料理は、見た目や味付けがかなり違っていても、やはりどこかにあい通ずるものがあるように感じる。ベトナム料理もそのひとつ。ごはんを食べる国という印象はさほどないが、確実に米文化圏である。ただ、その米をごはんという形だけでなく、さまざまに加工して使うところにベトナムらしさがあるのだろう。

 今やすっかり世界各地で知られるようになったフォーは米から作られた麺であり、ベトナム料理といえば誰しもイメージする生春巻き、ゴイクンも米粉を蒸してつくるライスペーパーで巻かれている。そして、米粉だけの加工品だけでなく、料理にも使われる。その代表的な料理がバインセオ(地域によってはバンセオとも発音される)。ベトナムでも、おもに南部で食べられる庶民の味である。

 小麦や米などのでんぷんの粉を水やだし汁、ミルクなどで溶いた生地を焼く、というスタイルの料理は世界各国にある。日本のお好み焼きやもんじゃ焼き、フランスのクレープなどがよく知られるところ。そして、このバインセオは、日本語ではベトナム風お好み焼き、欧米ではベトナム風クレープと呼ばれることが多い。

 実は私、この◯◯風という表現には、かえってイメージから外れていると思われるものも少なくないとつねづね思っているのだが、この料理もしかり。お好み焼きともクレープとも似て非なるものである。特徴は、ベトナム料理らしく米粉を使い、ココナッツミルクで溶くというところ。これに、うこん(ターメリック)を加えてパリっと焼き上げた皮で、炒めた具を包む。こんがりと焼けた半円形の黄色い生地なので、一見おおきなオムレツのようにも見える。

 具は豚肉やエビ、もやし、玉ねぎなどの野菜を炒めたもの。特にもやしは欠かせない食材で、しゃきっと歯ごたえが残るくらいにさっと炒めたもやしと、パリッとした皮がおいしいバインセオの必須条件。そして、もうひとつ特徴的なのはその食べ方。バインセオはレタスなどたっぷりの葉物野菜とともに供される。バインセオを手でちぎって、この葉っぱでくるくると巻き、酢、ヌックマム、砂糖、唐辛子などを合わせたスイートチリソースにつけて食べるのだ。

 各国にあるこのスタイルの料理の中でも、抜群に野菜がたっぷり摂れるのが大きな魅力。ぜひ、お好み焼きやクレープとの違いを感じつつ、味わってほしい一品である。

≪長晃枝(ちょうあきえ)/プロフィール≫
東京在住。アジアを中心に、旅モノと食べモノをメインテーマに飛び回る日々。秋から冬にかけては、おいしいものが目白押し。さすがの私でも食欲が落ちるほどの暑い夏のあとだけに反動がコワイ。
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