地球丸フォトエッセイ

「地球はとっても丸い」プロジェクトのメンバーがお届けする、世界各地からのフォトエッセイです。
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第4回 キリスト像
連載『パパイア・マンゴー・リオデジャネイロ』
文・写真:高橋直子(リオデジャネイロ・ブラジル)

キリスト像

自分の居場所
ギター
この愛

幸せになるために自分を愛すること
思考するための静けさ
夢を見る時間を持つこと
そして窓から見える
コルコバードのキリスト像の美しいこと!!

 ボサノバの生みの親、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「コルコバード」で歌われるコルコバードの丘のキリスト像。70年以上前から両手を大きく広げリオの街を見守ってきた。小高い丘の上からいつも静かな視線を、送り続けている。

 コルコバードの丘は、リオデジャネイロの観光のシンボルだ。リオデジャネイロ市街を見渡そうと、毎日多くの観光客が訪れる。小さな赤いケーブル電車に乗って、そのふもとの森林を走り抜け20、30分で頂上に到着する。森を抜け、左カーブに差し掛かったときに広がる風景は圧巻で、観光客はため息と共にカメラを片手にその絶景に駆け寄る。

 リオデジャネイロに移り住んで7年。その間何度もコルコバードを訪れたが、私はどうやらあまり運がよくないらしい。その姿と見渡す市街を望めたのは半分にも満たないのだ。海抜710メートルの絶壁の頂上は天気が変わりやすく、そのふもとは晴れていても、上に行くと雲ばかりということが多いのだ。ひどいときは、キリスト像の足の爪を拝んだのみのこともある。

 その日も、風は強かったがとてもいいお天気だった。キリスト像のお膝元にたどり着いた時はお天道様が望めた。しかし1分とたたないうちに、強い風にあおられた薄い雲が流れてきた。まるで水蒸気の中にいるように急に寒くなり、キリスト像は瞬く間に霧の中に隠れた。それでも雲の途切れめにキラキラと輝くキリスト像に目を凝らした。経済的不安定から治安の悪化が報じられるリオデジャネイロ。曇りががかっているリオデジャネイロの街のうしろから、光が差しているような、光景だった。


≪高橋直子(たかはしなおこ)/プロフィール≫
ブラジル在住7年目のフォトグラファー&ライター。若い情熱に惑わされてブラジルにはまり、まいた種は芽を出してはや4年。読み聞かせ絵本のポルトガル語を、息子に直される毎日。ビールを片手に楽しむ議論はタブーなし。討論好きのブラジル人に混じってスピーチ力、高めてます。ブログ、「VIVAカリオカ!」
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