地球丸フォトエッセイ

「地球はとっても丸い」プロジェクトのメンバーがお届けする、世界各地からのフォトエッセイです。
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第2回 グアテマラに生き続けるマヤ
連載:『ソンリサ・デ・グアテマラア(グアテマラの微笑み)』
文・写真:白石みつよ(ソロラ・グアテマラ在住)
グアテマラに生き続けるマヤ
 グアテマラの誇る観光地ソロラ県アティトラン湖畔の村サンタ・カタリーナ・パロポ。この村に住むマグダレーナとミゲル夫婦の娘マリアは5歳。末っ子の甘えん坊でみんなのアイドル。マグダレーナが織った織物をミゲルが売り5人の子どもを育てている。学校が終わると小さなマリアも父親の手伝いをして民芸品を売る。最低限の暮らし、けして豊かではない生活。それなのに、ここで感じるのは豊かな時間。

 無口で厳格な父親に守られ、母親のあたたかい笑顔の中で育つ子どもたちは、くったくがないほど明るい。村の民族衣装に身をつつみ、自分たちの回りにある伝統文化をあたりまえに受け入れている。

 この地にマヤ文明が起こったのは紀元前2000年。250〜900年の黄金期には多くの都市が誕生、繁栄した。それから数千年をへてもなお、ここには彼らの子孫が守り続けるマヤが残る。21の言語。絵文書にも数多く描かれている女神イッシェルとおなじ後帯織で織られる民族衣装。王族たちが身を清めたサウナは、タマスカルと呼ばれ風呂として使われている。料理道具もしかり。マヤ世界は、宇宙に炉を設けたことにより創造されたと伝えられており、炉を支えたのはジャガー、蛇、水の3つの石。神話にもとづいた3つの石からなる炉で、現在も煮焚きをする。国立博物館に陳列されているのと同じメタテとマノで、主食のトウモロコシをはじめ、トウガラシ、カカオ、コーヒー、香辛料などを挽く。

 まるで数千年前にタイムスリップしたように感じるかもしれないが、ガスコンロ、電子レンジ、ミキサーをはじめとする電気機器も普及しており、欲しいと思えば全てがそろう。貧しいため買えないという一面もあるが、それ以上に感じるのは、多くの人がそれらを必要としていないのでは、ということだ。子どもの頃からそうだったことを、どうして変える必要があるだろうか? 彼らは疑うことなく同じ道具、方法を使い続ける。そして子どもたちがそれを受け継ぐ。

 お母さんの持ってきた料理道具のメタテとマノに思わず腰掛けてしまうマリアも、やはりサンタ・カタリーナ・パロポの女の子。彼女が村の民族衣装を着るのと同じぐらいあたりまえに、多くの民族が忘れつつある伝統という「誇り」を身につけはじめている。 


≪白石みつよ/プロフィール≫
中米の国グアテマラ在住10年目。政府公認観光ガイド、コーディネーター、グアテマラ・中米を伝えるライターとして活動。仕事=旅は素敵な方々と出会うことのできる、私にとっての宝物。グアテマラの友だちから「光代は僕たちよりグアテマラを知ってるよね」とお褒めの言葉を頂いている・・・。ホームページ
コメント
from: inagaki misawo   2009/07/05 11:35 PM
白石さんと旅したグアテマラ、今も生き続けるマヤの末裔たちの姿を垣間見て、もっと彼らの生活を知りたいと思います。
6月に中国の四川省を訪れ、チベット民族の様子も少し知りました。
文明社会から取り残されているようにも感じる人々の生活の中に、家族の暖かさや伝統の手仕事などが生き続いており、それが本来大切にしなければならない、人間の暮らしのように思えてなりません。楽しみが増えました。
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